ほとんどの人はJRを一度は使用した事があると思います。最近はインターネットで簡単に経路検索と共に目的地までの運賃まで調べる事が出来ますが、実はJRの運賃計算はかなり複雑です。このページでは例外的なこと除いて、なるべく分かりやすく解説しようと思います。色々複雑で正直分からない部分があります。また東京近郊にとか関東に住んでいる人向けです。
目次
運賃計算の基本
基本的には以下の流れで計算します。
- 1、乗車する路線が幹線のみか地方交通線かを調べる
- 2、電車特定区間であるか調べる
- 3、出発駅と到着駅までの営業キロを調べる
- 4、換算表で運賃を調べる
乗車する路線が幹線か地方交通線かを調べる
出発駅から目的地の駅までの経路を決めます。その時に使用する路線に注目します。JRの各路線は幹線と地方交通線の2つに分けられています。運賃は幹線のほうが地方交通線より安く設定されています。幹線or地方交通線であるかは書店などで売っている時刻表の最初にある索引地図から調べる事が出来ます。一般的に有名な路線(山手線とか東海道線、中央線など)は幹線です。ほとんどの場合あまり気にする必要はありません。関東地方や近郊の地方交通線は以下の通りです。
- 八高線
- 東金線
- 久留里線
- 水郡線
- 磐越東線(磐越西線は幹線)
- 越後線
- 飯山線
- 弥彦線
電車特定区間であるか調べる
東京付近の幹線区間のうち利用者の多い区間については、幹線よりもより割安な運賃が設定されています。この区間を電車特定区間といいます。下の画像が範囲となります。詳しい適用範囲はこちら。
さらにこ電車特定区間でも利用者が多い山手線区間内を相互発着する場合は、さらに安い運賃が設定されている。これを東京山手線内といいます。適用範囲は山手線と山手線内部を通っている中央線区間です。
出発駅と目的地の駅が電車特定区間内(または山手線内)で移動である場合、この後換算表で運賃を調べますが幹線よりもより割安な運賃となります。
営業キロを調べる
出発駅から目的地の駅までの営業キロを調べます。これは書店などで売っている時刻表で調べる事が出来ます。各路線の最初のページに営業キロという記載があります。乗車駅と降車駅の差が営業キロです。乗換えが発生する時は複数路線に跨り面倒ですが、これは計算するしかありません。注意点として、手順1にて調べた乗車する路線にて地方交通線と幹線両方を使用している場合、地方交通線の営業キロは換算キロを使用します。
換算表で運賃を調べる
最後に営業距離に応じた運賃を換算表で運賃を調べます(記載距離以上の設定もありますが割愛しています)。
- 電車特定区間内または山手線内のみでの移動の場合は、「電車特定区間片道運賃」列を参照(背景色が緑色部分)。なお電車特定区間外を跨ぐ場合は「幹線の片道運賃」の列(背景色が青色)を参照
- 地方交通線内のみ利用の場合は「地方交通線の片道運賃」の列(背景色が薄い黄色)を参照
営業キロ | 電車特定区間 片道運賃 |
幹線の 片道運賃 |
営業キロ | 幹線の 片道運賃 |
---|---|---|---|---|
~3 | 140 | 140 | 301~320 | 5400 |
4~6 | 160 | 190 | 321~340 | 5620 |
7~10 | 170 | 200 | 341~360 | 5940 |
11~15 | 220(190) | 240 | 361~380 | 6260 |
16~20 | 310(250) | 320 | 381~400 | 6480 |
21~25 | 390 | 410 | 401~420 | 6800 |
26~30 | 470 | 500 | 421~440 | 7020 |
31~35 | 550 | 580 | 441~460 | 7340 |
36~40 | 640 | 670 | 461~480 | 7560 |
41~45 | 720 | 760 | 481~500 | 7880 |
46~50 | 800 | 840 | 501~520 | 8210 |
51~60 | 920 | 970 | 521~540 | 8420 |
61~70 | 1080 | 1140 | 541~560 | 8750 |
71~80 | 1250 | 1320 | 561~580 | 8960 |
81~90 | 1420 | 1490 | 581~600 | 9290 |
91~100 | 1580 | 1660 | 601~640 | 9610 |
101~120 | 1840 | 1940 | 641~680 | 9830 |
121~140 | 2160 | 2270 | 681~720 | 10150 |
141~160 | 2490 | 2590 | 721~760 | 10480 |
161~180 | 2810 | 3020 | 761~800 | 10800 |
181~200 | 3140 | 3350 | 801~840 | 11120 |
201~220 | 3460 | 3670 | 841~880 | 11340 |
221~240 | 3780 | 4000 | 881~920 | 11660 |
241~260 | 4410 | 4430 | 921~960 | 11990 |
261~280 | 4430 | 4750 | 961~1000 | 12310 |
281~300 | 4760 | 5080 | 1001~1040 | 12640 |
営業キロ | 片道運賃 |
---|---|
~3 | 140 |
4~6 | 190 |
7~10 | 210 |
11~15 | 240 |
16~20 | 320 |
21~23 | 410 |
24~28 | 500 |
29~32 | 580 |
33~37 | 670 |
38~41 | 760 |
42~46 | 840 |
47~55 | 970 |
・この換算表は本州3社(JR東日本・JR西日本・JR東海)内の移動のみに適用可。
・電車特定区間でICカードで支払いの場合は運賃が異なる
・()は東京山手線区間内の運賃である。10Km以下は電車特定区間内と同様の運賃である。
計算例
- 電車特定区間相互発着の場合1
稲毛駅から船橋駅の距離は12.7Kmなので、11~15Kmの区分を見ればよい。よって運賃は220円 - 電車特定区間相互発着の場合2
千葉駅から新松戸駅までの距離は総武線(千葉駅~西船橋駅)18.6Km 武蔵野線(西船橋駅~新松戸駅)14.3Km合計32.9Kmなので、運賃は550円 - 東京山手線内の相互発着の場合
東京駅から高田馬場駅の距離は14.4Kmなので、11~15Kmの区分を見ればよい。運賃は190円である(上記表のカッコ内の運賃を見る)。 - 幹線内の相互発着の場合
木更津駅から蘇我駅の距離は31.3なので、幹線の31~35Kmの区分を見ればよい。運賃は580円である。 - 電車特定区間⇔幹線の場合
海浜幕張駅(電車特定区間)から木更津駅(電車特定区間外の幹線)までの距離は42.6Kmなので、換算表の幹線の41~45Kmの区分を見ればよい。よって運賃は760円である。 - 東京山手線内⇔電車特定区間の場合
飯田橋駅(東京山手線内)から千葉駅(電車特定区間)までの距離は40.4Kmである。この場合は切り上げて41.0Kmとみなす。よって換算表の電車特定区間の41~45Kmを見ればよい。よって運賃は720円 - 電車特定区間⇔幹線⇔電車特定区間の場合
千葉みなと駅(電車特定区間)から千葉駅(電車特定区間)にいく場合、蘇我駅経由が最短距離(7.8Km)となるが蘇我駅は電車特定区間外なので、幹線の運賃が適用される。よって運賃は幹線の7~10Kmのところを見ればよいので、200円である。
特例について
区間特例運賃
私鉄と競合している区間については、通常のキロ数による運賃では高すぎて不利になるため低く設定されている(競合区間すべてに設定されているわけではない)。例えば「東京-西船橋」間については、東京メトロ東西線との競合区間として特例運賃が設定されている。営業キロは電車特定区間で20.6Kmなので390円であるが特例で310円となっている。その他の区間と運賃については外部サイトJRの運賃計算ルールは複雑すぎる を参照。
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